2016-06

第2回「雑談カフェ」のお知らせと第1回レポ

IMG_1658
 
土曜の昼下がり、おいしいコーヒーを飲みながらゆったりと思考のストレッチ&ワークアウトしてみませんか?

先月よりヒガコプレイスで始まりました雑談カフェ、さっそく第2回目の日程が決まりました!

今回のテーマは「人間にとってどこまでが義務なの?」です!
私たちにとって「守るべきもの」ってなんなんでしょうか?法律?マナー?
ルール?そもそも、義務というのは守るべきものなんでしょうか?漫画ではよく、「掟は破るためにある!」なんて、生きのいいキャラがかっこよく宣言してますよね。でも破るためにあるのに、それは本当に掟と言えちゃうんでしょうか。

ちょっと考えてみるだけで、いろいろな不思議が出てきます。ぜひ、一緒に考えを巡らせてみましょう。
少し重たいかも・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、日常的に親しみのあるシチュエーションから考えてみようと思うので、気負わずにいらっしゃってください!

【雑談カフェについてはこちらから】


日時: 7/9(土) 15:00〜17:00
料金:500円(ワンドリンク制)
場所:ONLY FREE PAPERヒガコプレイス店
人数:15名
※参加ご希望の方はinfo@onlyfreepaper.comまでご連絡ください。


以下は前回の様子のレポートになります。

——————————————————————————————————————-

6月4日、ヒガコプレイスにて哲学カフェならぬ、雑談カフェが開催されました!ONLY FREE PAPERが老若男女にとってのサロン的な場として使われていくのもいいかもしれない、という想像のもと、その第一歩として「雑談カフェ」が開催されることになったわけです。

ここで、初回レポートということで雑談カフェのモデルである「哲学カフェ」について簡単に紹介したいと思います!

■WHAT’S 哲学カフェ?
皆さんのなかにも親しみのある方はいらっしゃるかと思いますが、哲学カフェというのは、その名の通り「カフェで哲学する」場です。しかし、ここでされる哲学っていうのは、そんなに小難しいものではないんですね。難しい哲学書を参考にしながら難しいことを考えるということは、哲学者達が勝手にどこかでやってくれます。哲学カフェでは、むしろ日常でゆっくり考える機会がない人に向けて、日常に潜むいろいろな疑問について考えてみる機会を設けよう!というテーマで行われています。なんとなく、日々過ごしていくなかで感じたことのあるちょっとした疑問を、何人かで一緒にときほぐしていくのです。一人で考えると、堂々巡りしてなかなかトンネルから抜け出せないけれど、人と一緒に考えると自分では見えてこなかった考え方にたどり着く。そんな体験を目指して哲学カフェは開かれているわけです。

DSC_0007

■第1回雑談カフェレポ

今回は学生さんを中心に7名の方に来ていただきました。なかには、フリーペーーパーの作者の方もいて、フリペ屋さんとして嬉しいメンバーが揃ったなという実感です。
そんな多種多様な人が集まった7人で、今回話し合ったのは「流行」について。
皆さんは流行ってどういうものだと思いますか?
個性ある人間を画一化の波で呑んでしまう敵?
何もしなくても、時代にあってるスタイルを提案してくれる便利な道具?
それに乗ってさえいれば、他人と話が捗るコミュニケーションツール?

上にあげたようなことが、7人の方々からどんどん提案されました。ちなみにみなさん、初対面です。しかし、みなさんは臆することなく自分の意見を相手に伝えます。会ったこともない人とこんなに話が盛り上がるなんて素敵ですね!

話が逸れました。流行についてですね。

DSC_0062

そう、流行に対するイメージというのは人それぞれ。ネガティブな印象もあればポジティブな印象を持っている人もいました。
しかし、ネガティブな印象を持っているなら、その人は流行というものをどう捉えているからなのか。反対に、ポジティブな印象を持っている人は、流行をどう利用しているのか。7人から出されるいろいろな観点から、流行の使い方、捉え方が提案されます。

その中で、印象に残った回答がいくつかあります。

「僕は、自分のこだわりが特にない分野で、無難な水準に乗っておくために流行を参考にします。」
一人の男子大学生が言います。
これには、みんなが割と納得。確かに、あまり自分が興味のない分野でそれなりのスタイルで落ち着くために流行を取り入れたりしますよね。

同じ人がさらに一言。
「でも、僕は流行から自分の『好き』を見つけることもあるんです。」

ほお〜〜、確かに。みなさんにもこういった経験があるのではないでしょうか?なんとなく、流行を取り入れてみたら、意外とその分野の楽しさを味わった。すると、流行となっている部分だけではなく、その奥を知る機会として流行が作用するわけですね。

「流行に一回乗ってみることで、ある分野の楽しみ方を知る。」
これ、けっこう身に覚えがあるように思えます。
流行が、何かを奥深くまで楽しむようになるためのきっかけとしての効力を発揮してくれるんです。

つまり、流行はある分野の門のような役割を持っている。

だからこそ、すでにディープな世界まで踏み込んでいる自覚のある分野での流行には、あまり乗ることがないんですね。

なんと、7名が納得してしまう結果がでてしまいました…。
ひとまず、「流行」に対する議論はここで終えることになります。

DSC_0059

今回の雑談カフェでは、わりと答えとして納得してしまうものがあっさり出てしまいました。テーマが、少し狭すぎたのかもしれません。もっと全員でモヤモヤしたかったのですが、想像していたより早く結論が見えてきてしまいました。

この反省を生かして、次回はもっと広範囲のテーマを据えて、もっと思考の体操となるような会にすることができるようにしたいと思います。

しかし、今回はみなさんが遠慮せずに意見を言ったり、人の意見に丁寧に耳を傾けたりする姿がみられたので、主催側としても嬉しいものでした。

次回以降、参加してみたいなと少しでも思った方、ぜひぜひいらっしゃってください!
いろいろな人と話を白熱させながら楽しみましょう。


2016-06-19 | Posted in NEWSNo Comments » 

 

ONLY FREE PAPER×只本屋 トークショー開催

13416903_1701223140138999_8393056894913667195_o

この度、京都の只本屋さんとトークショーやります。
以下、只本屋さんの師匠こと山田店長のコメント届いております。
なお、イベントに関するお問い合わせは只本屋さんの方までよろしくおねがい致します!

——————————————————————————————————————

【 ついに実現!関東関西フリーペーパー対談 】
只本屋代表の山田です。
今月末に東京でONLYFREEPAPERと対談します。「フリーペーパーのいま、むかし、これから」と題して、フリーペーパーについてあれこれ話そうと思います。
場所は、東京はONLYFREEPAPERのあるヒガコプレイスです。参加申し込みはいかに記載されていますので、ご希望の方は申し込みお願いします!
思えば、只本屋がオープンしたのは、昨年の3月でちょうどオープンのときに、ONLYFREEPAPERの松江さんと奥山さんが神戸に来ていて、帰りに只本屋に寄ってくれたのを今でも覚えています。いつかご一緒できるようなことができればと思い、クラウドファンディングの際に一緒にトークできるよう打診していたんですが、なかなか実現できなかったイベントをいよいよ開催です!
只本屋が東京の方に行くことも珍しいので、只本屋フリークの皆さんも、そしてもちろんフリーペーパーフリークの皆さんもお時間あれば、お話聞きにきてください。
フリーペーパーって何ってところから、今のフリーペーパーのトレンドまで色々お話しできればと思います。
————
オンリーフリーペーパー×只本屋
「フリーペーパーのいま、むかし、これから」
ローカルメディアやリトルプレスがにわかに盛り上がりを見せている昨今。地域や個人のレベルで発信される情報媒体が非常に注目されています。2015年は『R25』『花椿』など有名なフリーペーパーがweb掲載へと移行している一方で、色々な地域、業界で新しくフリーペーパーが誕生しました。また京都では『只本屋』、大阪で『はっち』とフリーペーパーを取り扱うお店も誕生しました。2015年はフリーペーパーを取り巻く様々な事象がおきた年と言えるでしょう。
今回はトークイベントとして、5周年を迎えフリーペーパー界の先駆者であるONLYFREEPAPERから松江さんと奥山さん、そして1周年の只本屋から代表山田を迎え「フリーペーパーのいま、むかし、これから」についてトークを行います。いまの一押しから、影響を受けたフリーペーパーなど、媒体についての話はもちろん。そもそもフリーペーパーのお店ってどうやって運営しているのという運営事情、そしてこれからのフリーペーパーはどうなっていくのかというところまでトークを展開します。
また当日はトークで展開されるフリーペーパーを実際に用意し、手にとっていただきながらトークを楽しんでいただけたらと思います。
トークゲスト:
松江健介 ONLYFREEPAPER オーナー
奥山太貴 ONLYFREEPAPER アートディレクター
山田毅 只本屋 代表
日時:6/26(日) 14:00〜16:00
料金:500円(ワンドリンク制)
場所:ONLY FREE PAPERヒガコプレイス店
人数:20名程度
主催:只本屋
共催:SFF2016実行委員会
※このイベントは只本屋のクラウドファンディング達成に伴うリターンイベントでもあります。
【参加申し込み】
6月24日18:00まではメール。6月26日当日は13:30から店内で当日受付となります。(上限に達し次第終了)
メールでご予約の方は下記アドレス宛に件名「只本屋イベント」観覧人数/観覧者の名前を記入の上、6月24日18:00までにお願い致します。
info@tadahon-ya.com


2016-06-18 | Posted in NEWSNo Comments » 

 

インタビュー #1 「tentonto」(後編)

header02

前半に触れられていた、「何も知識のない0の状態を1にする」ための様々なアプローチ。その裏にあるのは「このフリーペーパーが自分の夢」と言い切れるほどの想いでした。

『ASD & ADHD Magazine TENTONTO』

発達障害への理解を広めることを目指して、2014年に創刊。
約4ヶ月おきに発行され、現在no.5まで配布中。
今回お話をうかがったお二人が立ち上げ人。
タイトル「テントント」は、「テント(発達障害当事者には、テントのような狭い場所を好む人が多いことから)」と「トント(スペイン語でバカを表す)」組み合わせたもので、「テントバカ」という意味。
http://tentonto.jp

●当事者・非当事者、それぞれから見る「テントント」

非当事者同士の人間関係の中でも共感を覚えるこのフリーペーパー。
一方で、このフリーぺーパーが当事者に向けて発信しているもの。
両方の視点で読む「テントント」

橋爪:テントント自体は、「発達障害当事者とその周辺の人が、理解を広めよう」ってテーマでやられていると思うんですけど、当事者でもないし、周りにそういう人がいるわけじゃない私でも、すごく共感を持てる部分があるなって感じました。そういう読まれ方はもともと狙って行ったものなのか、予想外のことなのか。

原:それも狙ってましたね。

橋爪:やっぱり狙ってるんですね。

原:僕も、当事者じゃないんで。

ユミズ:まったく、違います、はい。

原:同じ部分と違う部分っていうのがあって、違うって言ってもやっぱり同じところも結構あるってことを、ちゃんと知ってほしい。知らないからもう知らないみたいな分け方じゃなくて、知って、ここまでは一緒だけどここからは違うなとか。でもそれって本来、他人と自分って、絶対そういうところってあるじゃないですか。その延長っていうと、ちょっと語弊あるんですけど、知らないでいると枠から外れちゃうんですけど、知ってるってことによって、なんだろう、もっと仲良くなったらいいな(笑)って思うんですよね。

あと、これはタキス君のいろんな苦労したっていう話を聞いて、思ったことなんですけど。世の中ってまだまだ、どこまでが怠惰で、どこからがその人のどうしても出来ないことなのかっていうのをちゃんと分かっていない人が多い。それが、その人がどうしても出来ないことに対して、できるようになれっていう圧力を生んでしまうと思うんですね。そういう状況を見て、どうかな、と思ってて。そういった意味でもいろんな人に知ってほしいですね。やっぱりその自分では当たり前って思ってることが、他の人にとっては当たり前じゃないってことも多くて、できることとできないことって人によって全然違うので、そのあたりも知ってほしいなっていうのがありましたね。

ユミズ:変わらない日常を大事にする人(当事者)が、変わらなきゃいけない圧力を感じながら、ちょっと重苦しくなることもあると思うんです。そういう人たちがテントントを読んで、少し楽に、自分と向き合い始めてもらえるようになれば、っていうのかな。

橋爪:私はテントントを、当事者でも当事者周辺でもない、外側からの読者っていう視点からしか読むことができないので、当事者・当事者周辺からは、どういうリアクションがあるのかを教えていただきたいです。

ユミズ:自分やご家族と照らし合わせて考えられる方が多いですね。視点自体が明るいところも、今までになかったからいいなって思ってくださる方がいます。この活動・フリーペーパーがあることですごく助かってますって言ってくださる方もいます。本当にありがたいことです。

IMG_3007

●テントントが発信するもの、「センサリーデザイン」

「センサリーデザインのある日本の未来を」
キーワードから読み解く、「テントント」の発信の姿勢

橋爪:このフリーペーパーを読むうえで、「テント」「センサリーデザイン」「感覚の違い」って3つがすごい重要なキーワードだなって思ったんですけど、このキーワードが設定されるまでにはどういう過程があったのかっていうのを教えて下さい。

ユミズ:冊子を読み返していて、「センサリーデザインのある日本の未来を作りたい」っていうのを、すごく言いたいこととして持ってるな、って改めて思いました。発達障害を持ってる人たちって、ストレスが溜まりやすい人たちだと思うんですよ。そういう人たちが少しでも楽に暮らせるように、生活を変えたり、生活のスタイルを変えたりするっていうようなアイディアが、センサリーデザイン、「個人の感覚から発した設計」ってことですよね。

引っ越したすぐの家って、そんなに心地よくなかったりするじゃないですか。自分用にカスタマイズすると思うんですけど。それの延長線上で、そういう考えだったり、行動だったりができる人がいたらいいなって。

発達障害の方全般に言えることですが、変化が苦手な人たちなので、環境を変えた方がいいのに、渋ってる人も多いっていうのかな。「変化を恐れない」っていうのを伝えたくて、それが冊子の見た目にも繋がってるかもしれないんですけどね。

「個人の感覚に端を発してる」「変化を恐れない」っていうのと、もう1個すごい大事なのは、「変化に対して真摯に向き合う」っていうのかな。とりあえずドカドカっと変えちゃって、結局居心地が悪くなったりとか、意見を聞いてあげなかったりすると元も子もなくなってしまうので。テントントの特色として、楽しい感じにしてるとはいえ、少し真面目というのかな。そのちょっと堅い部分は、変化ってゴリ押しでいくものでもないんだよっていうのを意識しています。

原:僕のデザイナーとしての観点から言うと、センサリーデザインという言葉が結構魅力的というか。本来デザインって今言われてるようなことよりもっと、パーソナルなものだと思ってて。「センサリー」っていうのって、発達障害を持ってる人だけじゃなくて、程度は全然違いますけど、どの人間に置いても、こういう触覚が嫌とか、黒板ひっかく音が嫌だとか。そういう小さい積み重ねがそれぞれ個人においてストレスだったり、嫌だったり、付いて回るものなので、そういった意味でも、デザインやってく上ですごいその「センサリー」っていうのは考えるべきものなんだなっていうのは思いますね。発達障害を持っている人って100人に1人ぐらいなんですけど、「デザインは、ちゃんとそっちを担わなきゃいけないんだな」っていう感じだから、そういうものを伝えたいっていうのはありましたね。

ユミズ:「テント」に関しては、「セーフヘイブン」って言葉で、すごい、海外で今言われてるんですけど。

橋爪:へー。

ユミズ:安全なヘイブン…。要するに避難場所ってことですかね。遮断されたような場所とか。気持ちを落ち着かせたり、考えを整理したりとか、するための場所。そういう風な一角を部屋に設けるっていうことを、デザインの設計事務所がやっているって認知も全然ないと思うから、知ってほしいです。

家に帰ってからのストレスを溜めないようなものがすごい求められてるんじゃないかなって。特に過集中なので、すごい無心になんかやったりするんですよ。だから、それで疲れちゃうよりは、落ち着ける場所があったらいいなっていう提案ですね。

原:逆に、どこも落ち着けないんですよ、世の中。

橋爪:ああ。

原:だからこそどこかに、自分のプライベート空間ぐらいには、落ち着けるところが必要だっていう。

ユミズ:最初の一歩として、それが大事なんじゃないかってことですね。

IMG_3020

●創刊から現在まで。メンバーの変化が意識の変化

現在5号までを発行。
作り手が変化していきながら、「ポイント」を探している。

橋爪:号を重ねるごとに、創刊号の時から意識の変化ってありますか?

ユミズ:メンバーの変化が意識の変化でもある感じですかね。メンバーが、テントントの内容に理解を深めていく中で、自分やご家族と重ね合わせて、例えば、「このせいで自分の妹と喧嘩したのか」とか。そういう気づきが入ってるところもあるのかな、とは思いますし、入れていきたいですね。それが入ってこそ、中身の濃い冊子になっていくかなと思っているので。頭でっかちな感じで、私一人の頭の中でやっていたようなことが、より複雑に多様になっていってるのかな、とは思います。

原:結構客観と主観の間を行き来してる感じがしますね。最初はただただ客観的で。

ユミズ:そうですね。

原:それが今は、より狙ってるというか。間を行き来してる。ポイントを探している感じがします。

ユミズ:より、個人に根ざしている感じはします。メンバー間での雰囲気作りができてるってことかな、とも思ってます。私たちは、日常、なかなか同じような感覚を共有できる人がいないので、その分メンバー間で話し込むことも多くて。仲が良く。だからこそできることもありますね。

IMG_3032

●「このフリーペーパーが、自分の夢」

「0から1にする」それが叶うメディアだからこそ「やると決めた」

橋爪:フリーペーパー発行を続ける上での資金のお話を、お答えできる範囲で教えていただいても大丈夫ですか。

ユミズ:メンバーの方には、協力していただいている分、金銭面で協力してもらうのはおかしいと思っているので、完全に発行人である私の能力で発行している冊子で、それにプラスとして、本当にいいと思ってくださった方にご協賛いただく、っていうことでやっています。そうですね、確かに課題だとは思うんですけど、個人的にはもう、やると決めたっていうか。自分の意思、夢なんですよ。それを叶えるっていうことに一番直結しているものなので、金銭面に関して、ネガティブなイメージは持ってないですね。

広告は今現在も募集してるんですけど、広告だよりになってもなーってところもあるから。どうなんでしょう。まあ、私がいれば続けていくわけですから。そういうところで、納得してるっていうか、頭悩ませてるって程ではないですかね。

橋爪:「このフリーペーパーが夢だ」って言いきれるのはすごいことですよね。

ユミズ:0から1にするってとっても労力がいるものなので。それが叶うメディアとしてやっていて、すごい力を持ってると思います。ご協力いただいている店舗さんが今二十何店舗ありまして、ご協力いただいてるってことの方が奇跡みたいに感じています。自分ができることはやっているけど、それを超えて、皆さんにありがたがってもらえるっていうのはすごい嬉しいし、ありがたいことです。

「テントント」の中身を通じて伝えたいこと、そして、その中身をどうやって発信していくか。インタビューを通して、その2つが少しだけ見えてきたような気がしました。
真剣な言葉、少しくだけた一面、そして最後にこのフリーペーパーにかける熱い想い。
そんなお二人が映し出されたかのようなフリーペーパー、「テントント」を、私はこれからも読者として楽しみ続けたいと思います。

text・interview 橋爪(ONLY FREE PAPER)
photo 奥山 (ONLY FREE PAPER)


2016-06-18 | Posted in OFP STAFF, インタビュー2 Comments » 

 

インタビュー #1 「tentonto」(前編)

header01

様々なフリーペーパーが並ぶ中でも、パッと目に飛びこむ黄色い表紙。線画のイラストに惹かれて手に取ってみると、未知の情報がつまった紙面が、読者に思考のきっかけを与えてくれる。「真面目な題材をポップに伝える」そんな魅力はどうやって生まれるのか?

編集長のユミズタキスさん(タイトル画像:左)とデザイナーの原裕也さん(同:右)に、新人スタッフ橋爪がお話をうかがいました。

『ASD & ADHD Magazine TENTONTO』

発達障害への理解を広めることを目指して、2014年に創刊。
約4ヶ月おきに発行され、現在no.5まで配布中。
今回お話をうかがったお二人が立ち上げ人。
タイトル「テントント」は、「テント(発達障害当事者には、テントのような狭い場所を好む人が多いことから)」と「トント(スペイン語でバカを表す)」組み合わせたもので、「テントバカ」という意味。
http://tentonto.jp


IMG_3004

●「テントント」創刊のきっかけ

大学の同級生同士で共有していた思いが、フリーペーパー文化と結びついて「テントント」という形に。
そんな、創刊までのエピソードと、創刊時から今に通じる「伝えたいこと」

橋爪:お二人の出会いと、テントントとしての活動を始めたきっかけを教えてください。

ユミズ:大学が同じです。この活動を始めたきっかけとしては、私は小さい時からASDやADHDの診断を受けていた人間ではなかったので、まだ知らなかった状態から、自分のことをちょっとずつ分かってきた時に、やりたいこととして、自分も当事者だけど、支援活動のようなことをできたらいいなって思って。特に立ち上げの時にサポートしてくれたのが原くんです。

原:最初に彼が、アスペルガーを持っているってこと自体を聞いてもよく分からなくて、やりとりしていく中でだんだん分かってきたことが自分の中で驚きというか、今まで全く頭になかったところだった。それまでは、ちょっと変わってるなとかその程度にしか思ってなかったことが、彼との関わりによって発見があったので、それをシェアしたいなっていうのがあって。

橋爪:てっきり、活動をしてて、そこに賛同、みたいな感じで始まったのかなって思ってたんですけど、そういうんじゃないんですね。

ユミズ:本当に1号の時は、身内っていうか、そんな感じで始めましたね。

原:この表紙描いてくれた人も、別にいるんですけど、そいつも大学が一緒で、3人集まった時に何かしたいねって話になって、ちょうど、僕とタキス君が発達障害についていろいろ考えている時だったので、それをテーマにやっていけばいいんじゃないかっていう話になって。

ユミズ:じゃあ1番に渋谷のパルコ(のONLY FREE PAPER)に行ってみなよって(表紙の絵を描いてくれた)そいつから言われて、こういう、ZINEの文化があるんだなっていうのをその時知りました。

橋爪:じゃあ、テントントを創刊する前から、フリーペーパー自体に興味を持っていたわけではなくて、たまたまこの表紙の絵の方が教えてくれて。

原:僕は全然(フリーペーパー・ZINE文化について)知らなかったです。

ユミズ:僕も全然。表紙の絵の彼がかなり詳しくて、ピンと来たみたいな感じで、教えてくれたんですけど。

橋爪:表紙のイラストの方がすごいフリーペーパーに詳しいっていうのと、お二人のところにあった「発達障害をもっといろんな人に知ってもらいたい」っていうのが、たまたま結びついて始まった感じですか。

ユミズ:そうですね。

橋爪:フリーペーパー発行に至るまでの問題意識のようなものを教えてください。

ユミズ:僕自身が、発達障害を持っているから上手くいかなかったことっていうのに全然自覚がなくて、客観的に見られていなかった。特にちっちゃい時は、自分で環境を変える力がなかったので、自分の部屋を、すごく気の散る部屋にしちゃってたんですよ。自分の特性を客観的に見て、それに合わせた環境をつくっていくようなことが、もっと知られていれば、もうちょっと居心地の良い場所で過ごせたんじゃないか、ってことを考えて。それが実際に、「センサリーデザイン」という言葉で、イギリス発で実践されているのを知って、日本の方にも伝えたいなって思って始めたのがこのフリーペーパーです。

IMG_2985

●フリーペーパーであることの価値、「もの」の力

フリーペーパーという形でなかったら、「テントント」に出会わなかった人たち。その一人として気になる「なぜフリーペーパーなのか」

橋爪:「発達障害への理解を深める」っていう目的のために、フリーペーパーじゃなくても、例えばwebで発信とか、最近だったら、ユースト番組とか、YouTubeで動画配信とか、あると思うんですけど、わざわざフリーペーパーを選んだ理由って。

ユミズ:えー、ユースト配信、やりました。

橋爪:あ、やられてたんですね(笑)

ユミズ:まずは身近な所からということで、私と原で、ほぼ毎日やってたんですけど。

橋爪:毎日! すごいですね。すごい(笑)

ユミズ:毎日(笑)

それもやりつつ、例えばいきなり「自閉症」とかの専門用語でYouTubeを検索してくる人がどれくらいいるかってことを考えて。

橋爪:確かにあんまりいないかもしれないですね。

ユミズ:それでなんかできることないかなって時に、先ほどお伝えしたようなきっかけで、フリーペーパー・ZINEのことを知って、それでやるようになりました。

Webページもやってまして、あくまでフリーペーパーのサポート的な立ち位置のつもりだったんですけど、毎日やらないと続かないんだろうなーとか、思いながら、あげています。Webコンテンツを作ることが、(ASD・ADHDについての情報を)いろいろ調べるモチベーションにもなりますし。

原:あと、冊子とWebの違いって、やっぱり、出会い方の違いというか、Webから入るのと、街角でパッと目に入って見ていくのだと、導入が違うと思うんですね。

橋爪:そうですね。

原:やっぱり、こういった冊子でしか出会ってくれない人って、絶対いると思うんで、そういった意味でもこれからもどっちも続けていきたいって思ってます。

ユミズ:そうですね。やっぱり、webにも全部公開して読めるようにはしてるんですけど、それを見た上でやっぱり冊子が欲しいって言ってくれる方とても多いし、やっぱりこう「もの」の力っていうのかな、やっぱり、「冊子がある」っていうのって、価値のあることなんじゃないかなって思います。

IMG_2993

●0から1に 「まず知ってもらいたい」

先入観をなくすこと。取っていってもらうための工夫。
伝わってくるのは、「気づいて欲しい」という想い

橋爪:このフリーペーパーをパッと見た時に、表紙の情報量少ないなって思うんですけど、雑誌の表紙って、例えば、「特集:テントが大好きな人たち」コーナー名、みたいにいっぱい書いてあるのとか、よくあると思うんですけど、あえてこの少ない情報量にしてる理由ってあったりするんですか。

ユミズ:そうですね、デザイナーの意図からすると、「発達障害」っていう言葉の強さってあるじゃないですか。その強さが目を留めるきっかけになるってこともあると思うんですけど、その強さではねのけてしまう人もいるんじゃないかな、なんてことを思いまして、それを加味しています。紙の中で、情報量は少ないけど、おっ! とは思ってもらいたいみたいな感じですかね。

原:先入観を持って読んでほしくないというか、まずは読んでもらわないと分からないことなので。最初っからぎょっとさせるよりも、よくわかんないけどなんかありそうだなって感じのもので。別に、なんだ、出しといてあれですけど、すごい読んでほしいってわけじゃないんですよ。

橋爪:ああ〜

原:こういう感覚に合った人が来てくれればいいかなって思ってて。従来の医療系の雑誌でもないので。読む方も構えなくてもいいような感じにしたかったっていうのはありますね。

ユミズ:現状、問題があるよーぐらいまでは、取り上げられているんですけど、本当にどういう人達なのかまでは知られていない。100人に一人ですからそんなに多くないとはいえ、120人の学年だったら一人はいるわけで、そういう人がいるっていうところを、知らないよりは、0よりは興味を持っていただけたらなって。

冊子の中身は、結構濃いと思うんです。知らないから面白いっていう情報は結構入ってて。それは、当事者にも言えて。当事者も興味の幅が狭いから、少しは視野が広くなるきっかけになっているのかな、と思います。

原:紙面に取り上げている内容について、知ってほしいは知ってほしいですけど、どれくらい知るかっていうのは、読み手の理解力もありますし、こちらの伝え方の問題もあるので、だから、気づいてもらえれば、まずいいっていうのがあって、その中でどれくらい理解してるかっていうのは、僕としてはそんな気にしてないです。

ユミズ:原が言っているように、「頭に入れてほしい」っていうのが結構、核心をついていて。色々な風に捉えていただきたいですし、いろんな風に捉えていただきたいから、まず知ってもらう、っていうところに最終的になるのかな。

原:中身に関して言うと、結構いろんなアプローチをしていて。というのも、やっぱり、どれかのコーナーに、誰かが引っかかってくれるんじゃないか、っていうのがあって。全部が好きとは言えないかもしれないけど、このコーナーは好き、みたいなのが、一つぐらいはあればいいな、って思って。そう言った意味でも、バラバラ…じゃないけど。

ユミズ:実験的な。

原:製作メンバーそれぞれの性質を活かして作って、かつ、メンバーの性質が、読み手の誰かに共感してもらえたらいいな、と思ってます。あと、その時は読んでも分かんなかったけど、一回これを知ったことによって、日常生活で、何かしら気づきがあって、改めて読んでそういうことだったのかって思うようなのがあってもいいと思う。そのためにもとりあえずまずは知ってもらいたい。知ってもらうっていうか、頭の隅に入れてもらいたい。

ユミズ:取っていってもらわなければいけない。

原:そのための(とっかかりとして)、(デザインなどの)かっこよさはありますね。あと単純に言うとダサいのやだったんで。ダサいのばっかりだったんで、自分たちがつくるものは、ダサいのやだなって(笑)

橋爪:「ダサいのやだ」ってすごくいいと思います(笑)

原:ダサいものを駆逐したい。

橋爪:ダサいものを駆逐したい(笑)

さっき、「手に取ってもらうのがまず大事」っておっしゃっていたと思うんですけど、「テントント」っていうタイトルがまず、リズムの良さとしっかりした意味を兼ね備えていて、すごく良いタイトルだなって思いました。

このタイトルってすぐに思いついたんですか?

ユミズ:タイトル考えたのは私かな? 発達障害持ってる方って、得意不得意がすごくばらつくんですが、私もばらついている中で、言葉は結構得意なんです。だから、例えば「トント」って言葉があって〜、みたいな情報が、いっぱい頭に入っているので、そういう部分がもしかしたら命名に活かせているのかなって。

原 : 命名の流れを言うと、「テント」いいよねっていうのがあって、テントテントとか言ってて、テントテントはどう?みたいな話をしたりしてて。

ユミズ:「トント」はバトルスっていうバンドの曲名からとってて。その「トント」の PVでモチーフに なっているインディアンの、どこか野生的なイメージが、 ASDやADHD当事者に感じる動物的な部分と 重なる、っていうようなことを、一瞬で、パーって思いついて、「テントント」になりました。

原:個人的に面白いなって思ったのは、インディアンて、ネイティブアメリカンなんですけど、白人から見てバカって思うだけであって、本当は誇り高くて。お前らバカって言ってるけど、それは知らないからバカって思えるだけで、本当はそうじゃないっていうのが、結構言い当ててる感じもあるんですよ。

橋爪:なるほど。

原:タイトルを決めるのは、タキス君がいたから楽だった。

ユミズ:長所を活かしあいながらですね。

「テントント」にこめる想いを語る中に、くだけた一面が見える場面も。
そんな様子は、このフリーペーパーが持つ空気そのままのよう。
読者からのリアクション、創刊から現在までの変化など、インタビューは後編へ続きます。

text・interview 橋爪(ONLY FREE PAPER)
photo 奥山 (ONLY FREE PAPER)


2016-06-15 | Posted in OFP STAFF, インタビュー2 Comments »