PEOPLE

毎日と生きる事

20160117カット

だいぶ久しぶりの投稿になってしまいました…。
ここのブログで、生きづらさとか障害とかの話を書かせて頂いていますが、障害とアートについて、最近ちょっと考えていたので、書いてみることにしました。

アールブリュットやエイブルアートなどのジャンルがとても注目されていますが、これまで私は敢えて着目しないようにしていました。そういう分野を語るときに出てくる「作品が素晴らしければ障害なんて関係ない」という言葉に、いつも悶々としてしまうからです。

まず、病を持つ人と、それを見ている人の隔たりを「関係ない」と言えるの?という違和感。それから、他にも悶々とする理由はたくさんあるんですが、理由でも理屈でもなく、もっとどうしようもない部分で障害当事者としての自分がこう言うのです。
「病かどうかが『関係ない』と言える人はいいよなあ!」と。
それはもう、作家とか作品とかいう以前の、嫉妬とかコンプレックスとか、そういうどうしようもない感じのものです。

作品的に意味がある事と、普通の社会で普通に暮らす上で意味がある事って私にとってはイコールではなくて、病気のことをオープンにして活動をしているとよく、その境目があやふやになります。
例えば、連日「死にたい」と思いながら絵を描いているけど、絵はさておきとりあえず風呂入った方がいいし、そろそろ床も掃除機かけないといけないけどウググ…みたいな事もあるし、逆に、全然絵は描けないけど毎日快適、という事もあって。
そういう生活の中で生きるのって、全然「作品が良ければ関係ない」と割り切れるものではなくて、それを言っちゃえる人との間に壁を感じてしまうんです。

ただ、最近なんとなくわかってきたのは、死にそうになりながら作ったものが評価されたら意外と死なないで済む、という事。
「死にたい」と一人で考えている時って、本当に全てに絶望しているんですが「死にたいほど絶望している」と絵に描いて、それを誰かに見せると、制作が「絶望の先」になるんです。

それが解ってくると、だんだん期待するようになって「絶望の先で誰か『youの絶望、めっちゃええやん』って言ってくんないかな~。ていうか言われたいな~。」と思うようになり、とりあえずこれをサイトにアップしてから死ぬかどうか考えようかな…。あまつさえ展示とかしてみちゃおうかな…、なんて考えるようになり、最近はそのようにして、死にたい気持ちと付き合っている気がします。

「アートが人を癒やす」とか言われたら、まだ「はあ~?」って言ってしまいます。メルヘン纏えど心はパンク!でも苦しさの先に作品があり、その先に人がいるんだという事で救われる場面が最近かなり増えてきました。
悔しいけど、これがもしかしたら「アートに癒やされている」という事なのかもしれません。

そして、これはもしかしたら躁状態で書いているテキストかも知れません。と、いま思いました。一昨日まで寝込んでいたのでかなりその可能性が高いです。
でも、だからこそ、こうして久しぶりに文章が書けたわけだし、まあ多分良いのです。後々、誰かが「youの躁状態、めっちゃええやん」って言ってくれる事に期待しようと思います。


プロフィールトキン Tokin
1983年生まれ。自分の精神疾患の病状をしゃべるフリーペーパー「ゾンビ道場」を発行しています。キーワードはメルヘンとメンヘル。イラスト、絵画、ライブペイントなど、アグレッシブに絵を描く病人です。
web site:http://tokin.info/
Twitter:http://twitter.com/Tokin0528



2016-01-18 | Posted in PEOPLE, トキンNo Comments » 

 

one day 20151128 afternoon

北風がこうべを垂れたある昼下がりのサウンドトラック

20151128_oneday_s

20151128_oneday_notes_s

mix&art work by Satoshi Ogawa

Ando Umeko “Pekambe Uku”


Moondog “I’m Just A Hop Head”



profile_20131215小川哲 Satoshi Ogawa
イラストレーター。シンプルな形、パターンをモチーフにしたリズミカルな作画で雑誌、書籍、CDジャケットを中心に活動。またイラストレーションを用いたプロダクト企画にも携わる。ミュージシャンのポートレイトで音楽を紹介する「5X5 ZINE」の制作を継続的におこなっている。

web site: http://satoshiogawa.com/
twitter: https://twitter.com/panaii





2015-11-29 | Posted in PEOPLE, 小川哲No Comments » 

 

one day 20151015 morning

冷たい風と暖かな冬への郷愁が交わる朝のサウンドトラック

oneday_20151015_s

oneday_20151015_notes_s

mix&art work by Satoshi Ogawa

Jan Steele + John Cage “All Day”


Yanokami “Owari no Kisetsu”



profile_20131215小川哲 Satoshi Ogawa
イラストレーター。シンプルな形、パターンをモチーフにしたリズミカルな作画で雑誌、書籍、CDジャケットを中心に活動。またイラストレーションを用いたプロダクト企画にも携わる。ミュージシャンのポートレイトで音楽を紹介する「5X5 ZINE」の制作を継続的におこなっている。

web site: http://satoshiogawa.com/
twitter: https://twitter.com/panaii



2015-10-15 | Posted in PEOPLE, 小川哲No Comments » 

 

one day 20150829 midnight

夏の寒空、雲と雲の切れ目から8月の光が差し込んだある夜のサウンドトラック

20150829_oneday_s

20150829_oneday_notes_s

mix&art work by Satoshi Ogawa

Nils Petter Molvaer “Merciful-Ligotade” mix by Bill Laswell


Bjork “Cocoon”



profile_20131215小川哲 Satoshi Ogawa
イラストレーター。シンプルな形、パターンをモチーフにしたリズミカルな作画で雑誌、書籍、CDジャケットを中心に活動。またイラストレーションを用いたプロダクト企画にも携わる。ミュージシャンのポートレイトで音楽を紹介する「5X5 ZINE」の制作を継続的におこなっている。

web site: http://satoshiogawa.com/
twitter: https://twitter.com/panaii



2015-08-30 | Posted in 小川哲No Comments » 

 

手放せないなら一緒に持とう

来月、ライブペイントで出演するイベント「カウンター達の朗読会」のプランをこのところずっと考えています。
このイベントは、精神的な問題などの「生きづらさ」についてがテーマになっているので(詳細は文末、またはこちらをどうぞ…)、最近、病気と絵のことを話したりプロフィールに書く機会が前より増えました。

そうして考えていると、どうしても思い出すのが入院していた時のこと。その中で書き出していた文章をここに放流してみることにしました…。

20150607繧ォ繝・ヨ

仕事ではないけど、休みでもない。あるいは、休みではあるけど、最高に休まらない時間。
入院生活は、夏の暑さも相まって、なんだかエアポケットのような不思議な印象で記憶に残っている。
(薬でぼーっとしてたというのが大きいんだろうけど)

毎日毎日話したのに、もう名前も覚えていない人。いなくなった人。遠くからお見舞いに来てくれた友達。笑ってるような困ってるような家族の顔。泣きながらどっか行っちゃった友達。
いろいろ。

すごい変だった事がたくさんあった。

自分の苦しさを置き去りにして、自殺未遂について「迷惑かけちゃった」と言った人。
「迷惑だから治す」と言う彼女の努力の矛先はどこへ向かっているんだろうと思った。治すにしても、彼女の生は、彼女のものなのに。

自分の意見を泣きながらぶちまけた友達が行動制限を受けていたのも不思議だった。きっと、発露の仕方に問題があったんです。それが今ならわかるけど、その時はピンと来なかった。思い切り表現する彼女の態度に「いいなあ」と思っていたし、黙っていたら鬱になるのに言ったら言ったでアウトなの か?なんて考えて、私は「へえ、大変だね」とか言っているだけのタイプだった。

「へえ、大変だね」と言っている自分も大変だった。でも何が大変なのかわからなかった。何が大変なのかわからなかったから、なかなか退院出来なかった。(とんちみたいだよね)

そこにいる人は、当たり前だけど、みんな大変だった。


自分のことはもちろん、入院していた人の事も、スタッフのことも、たくさん考えた、感じた。そして考えれば考えるほど「考えない方が良いよ」と言われた。そこがよくわからなかった。

決して楽しくはなかったけど、私にはとても大事な時間だったよ。
でもさ、それを話すとき、私はいつもこう言うんだ。

「超迷惑かけちゃった。精神科に入院とかやばくない?」

しかも笑って言うのさ。何も可笑しくないのに。
死ぬほど苦しかった事を「やばくない?」って突き放して笑う私の方が、よっぽどやばいよ。


あの時、直に感じて触れた、人の気持ちの奥の事。それをものすごく愛おしく感じた事。そして、それと相対する「そういうものと距離を置く方が健康的という考え方。
でも、そこを見て見ぬふりしてあまり触れず生きていくのが良いのだとしたら、私は何を見て誰のためにものを考えたら良い?

人の気持ちの話が好きだ。
極端に振り切ってしまう人とか、極端に振り切らずにいられなかった程の情動に、ものすごく惹かれる。いびつな顔で取り繕ったりしないで、楽しい事は楽しいと言えるように。悲しい事は悲しいと思い切り泣いたりワガママ言ったり、散々ふさぎこんだりして欲しいといつも思っている。
(なんて!いい事を言っている風だな。誰より、私がそうしたかっただけだ)

素直に泣くなんて、そんなのすごく難しい。泣いてもなにも解決しないし。わかってるけど、わかってるから、敢えてそういうものを作りたい。

涙と鼻水でぐずぐずになったとき、手に取るのが、ふわふわのタオルだったらちょっと良いじゃない。
死にたい気分で倒れ込んだベッドに、柔らかいクッションがあったら、ちょっとだけ良いじゃない。

「最悪」から少し目を反らしたくなったとき、自分の絵が機能してくれないかといつも思っている。共感か、安心か、気紛らわしか、そういうものを作りたい。

————————

私が、彼女達が、手放せなかった「生きること」を、細い糸みたいにして、つなげて、考えていきたいです。
全然タフじゃない。まだ糸だよ。ロープなんかになってない。
でも、これでも、結構繋がってさ、割と太い糸にはなったと思うんです。

20150617蜻顔衍

生き辛さを抱える全ての人へ捧げる朗読ライブ
「カウンター達の朗読会vol.7」
~きみの手でカウンターパンチをするための57577~

2015年7月11日(土)
会場 新宿 ネイキッドロフト
OPEN 18:30 / START 19:30
前売/予約 ¥1,500 / 当日 ¥2,000(共に飲食代別)

【出演】
成宮アイコ(こわれ者の祭典)
葛原りょう(大衆文藝ムジカ 編集長)
Tokin(ライブペインティング)
タダフジカ(ギター&クラリネット)
川瀬由紀子(ピアノ)

前売りチケット情報、イベント詳細はサイト(http://tokin.info)をご覧下さいませ。
よろしくお願いします!


プロフィールトキン Tokin
1983年生まれ。自分の精神疾患の病状をしゃべるフリーペーパー「ゾンビ道場」を発行しています。キーワードはメルヘンとメンヘル。イラスト、絵画、ライブペイントなど、アグレッシブに絵を描く病人です。
web site:http://tokin.info/
Twitter:http://twitter.com/Tokin0528



2015-06-20 | Posted in PEOPLE, トキンNo Comments » 

 

わたしとあなたの会話の話

20150414カット

「私は私で生きるんだ」と言う人に対して「かわいそうだなー」と言った人がいた。
何がかわいそうなのか訊いたら
「「私は私で生きるんだ」って敢えて言わなきゃいけない気持ちを想うとねー」
とのことだった。
なるほど。

「自分が自分で生きられない」のはなぜなんだろう。

「普通に嬉しい」「素直に嬉しい」という言い回しがある。あの言葉に私はいつ
も違和感を感じるんだけど、それがもしかしたらこの問いに対する答え かもし
れない。

本音の意見の前に入っている「素直(に見える)」「普通(と言われる)」という、
視点。
それは恐らく、一般的にそう言われるだろうとか、そう言っていた人がいるとか
いう基準から推測されたものだ。
でもその推測って、私とあなた、の間でしゃべる時本当に必要なものなんだろうか。

私が誰かとしゃべる時、当たり前だけど私が聞きたいのはその人の意見であっ
て、その意見が一般的にどう見えるか、どう判断されるかは関係ない。
(だって、私の物差しがその「一般的」かどうかは、わからないでしょ)

変に思われるかもしんないけど、変に思わないかもしれない!
あなたが「変に思われるかもしんない」と感じている事、私はとっても魅力的に
感じるかもしれない!
それを自分から閉ざしてしまうのって、結構もったいないなと思うのです。

枠組みや、経験からの推測がまったくない所でものを考える・発する、なんてこ
とはとても難しいけど、どの枠組みにはまるか、どの経験を当てはめる かは自
分の自由。
「嫌われる自分」の枠組みをあらかじめ作って、その中に本音を閉じ込めるっ
て、なんだかそんなの淋しすぎます。
大事な人にそれをされたら、私は結構淋しいぞ!

とはいえ、私もかなり身に覚えがあるので、こうやって文章を書いていても「く
う、自戒だなあ」という感じがします。
嫌われるのってすごい怖いから、なるべく無難な自分でいたい。
でもこの「自戒だなあ」というげんなりした感じも、苦笑いで誰かとシェア出来
たらそれってちょっと幸せかも、って思うのです。


プロフィールトキン Tokin
1983年生まれ。自分の精神疾患の病状をしゃべるフリーペーパー「ゾンビ道場」を発行しています。キーワードはメルヘンとメンヘル。イラスト、絵画、ライブペイントなど、アグレッシブに絵を描く病人です。
web site:http://tokin.info/
Twitter:http://twitter.com/Tokin0528



2015-04-14 | Posted in PEOPLE, トキンNo Comments »