PEOPLE

渋谷PARCOとONLY FREE PAPER

皆さんすでに様々なメディアを通じてご承知であると思いますが、渋谷PARCOが8月7日をもって一旦その役割を終えます。
2011年9月より入居させていただいておりました当店ONLY FREE PAPERの渋谷PARCOでの展開もそこで終了となります。

フロアを変え、形を変え、慌ただしくそして問題児であった僕らを渋谷PARCOは大きな器で受け止め続けてくれました。
4年間もの長きにわたり。

PARCOさんも仕事、我々ONLY FREE PAPERも仕事。である限りはそこに感情的なことを持ち出すことはあまりスマートなことではなく、ある種の掟破りかもしれません。経営者としてはどうかと自分でもそう思います。
しかし、今は最後の時です。お別れの時なんです。
なので、この時だけは「想い」的要素を吐露し一方的な側面から述べることをお許しいただきたいです。

前例のない形、フリーペーパー専門店としてオープンした当店は大変多くの方に支えられその大きなスタートを切ることができました。
しかしそこから「続けていくこと」はとてもハードなことであり、壁という壁が立ちはだかる毎日でした。
もはや消耗しきった僕らに手を差し伸べてくれたのが、渋谷PARCOでした。
PARCOさんは僕らに同情したわけでも何でもなく、やっていることの面白さをかってくれた上で、ONLY FREE PAPERを招き入れてくれました。親族でも何でもないので特に同情するポイントは皆無ですので当然といえば当然ですが。
でもそのことが結果的には僕がPARCOさんをいつまでも信頼できる要因になったのは言うまでもありません。

入居のしょっぱなから規格外のズタボロさをお披露目し、大変不安にもさせてしまいましたが、それでもPARCOさんが僕らに対し見捨てるような目をすることは結局最後までありませんでした。それはもはや親心のそれであったように、今となっては思います。

その後も度重なるご迷惑(ちょっと書けません)をかけ続ける僕らを、叱咤激励してくれました。
組織である以上、異動などは当然あり、担当の方が変わっていく中でも一貫してそれは変わりませんでした。
誰がどうこうとかそういうレベルでの話ではなく、それはもう「渋谷PARCO」という愛が包んでくれていたんだということでしょうか。

ひとつのビルとひとつのテナント。
この話は、そのお話です。
しかし、僕にはそれを超えた人と人の関係性でしか語ることができません。と言いますのは、僕と渋谷PARCOの担当の方々、そういう意味での人間性の話ではなくもっと概念的なことです。
その理由は、もちろん商売としてはとても成功しているとは言い難いというものが要因になっていることは自覚しています。だから、その土俵でしか語ることができないのだと。
それでも僕は、頑なに、言い続けると思います。ONLY FREE PAPERと渋谷PARCOは血の通った関係性だったのだと。
あるいは、すべての入居している(してきた)テナントに対して一貫してそのような関係性を築いていらっしゃったのかもしれません。
だから渋谷のど真ん中に存在し続け、上質なカルチャーを発信し続けられてきたのかと思うと納得がいきます。

「渋谷怖いけど、ONLY FREE PAPERがパルコにあるから来る(来れる)ようになった 」というようなお客様のお話を聞くこともありました。
僕が一利用者であった頃から高尚な存在であり続けた「あの」渋谷PARCOと共に、そんなお客様を排出できたとしならばそれはもう声にならない思いです。嬉しい感情の引き出しが少ないので、ご了承ください。

そんな渋谷PARCOもあと1日で閉館となります。一旦僕らの夢のような時間は終わります。
3年後、さらに強靭な体躯で僕らの前に姿を現してくれることでしょう。なんたってあの渋谷PARCOなんですから。

渋谷PARCOとONLY FREE PAPERを引き合わせてくれた方、渋谷PARCOの皆さん、御近所付き合いしてくれたテナントさんたち、ONLY FREE PAPERパルコ店を楽しんでいただいたお客様、イベントにご協力いただいた方々、とんでもないパワープレーでPARCO入居に踏み切った前代表。皆様、本当にありがとうございました。僕の中でこの4年間は決して褪せることはないでしょう。
いつの日が夢の続きを見られるように僕らも精進致します。



なお、ONLY FREE PAPERはPARCOさんでの営業は7日をもって終了致しますが、近日中に渋谷にて再開を予定しております。
ヒガコプレイス店の方は通常どおり営業いたしておりますが、8月15-19日までは夏季休業になりますのでよろしくお願い致します。



松江健介松江健介 Kensuke Matsue
ONLY FREE PAPERオーナー。株式会社Beatface代表取締役。#メタル#大好き#です#和製ブライアン・ジョンソン#メタルじゃないじゃん#恵比寿★マスカッツ#最近のマイブームです#カメレオンマン#オリーブオイルの消費量多め#「雪国」より「古都」派#「ネコ」より「カメ」派#「2」より「3」派#今は#坊主#じゃないよ#オール#オア#ナッシング#アホでしょ#バカでしょ#ドラえもんでしょ





2016-08-06 | Posted in 松江健介, PEOPLENo Comments » 

 

毎日と生きる事

20160117カット

だいぶ久しぶりの投稿になってしまいました…。
ここのブログで、生きづらさとか障害とかの話を書かせて頂いていますが、障害とアートについて、最近ちょっと考えていたので、書いてみることにしました。

アールブリュットやエイブルアートなどのジャンルがとても注目されていますが、これまで私は敢えて着目しないようにしていました。そういう分野を語るときに出てくる「作品が素晴らしければ障害なんて関係ない」という言葉に、いつも悶々としてしまうからです。

まず、病を持つ人と、それを見ている人の隔たりを「関係ない」と言えるの?という違和感。それから、他にも悶々とする理由はたくさんあるんですが、理由でも理屈でもなく、もっとどうしようもない部分で障害当事者としての自分がこう言うのです。
「病かどうかが『関係ない』と言える人はいいよなあ!」と。
それはもう、作家とか作品とかいう以前の、嫉妬とかコンプレックスとか、そういうどうしようもない感じのものです。

作品的に意味がある事と、普通の社会で普通に暮らす上で意味がある事って私にとってはイコールではなくて、病気のことをオープンにして活動をしているとよく、その境目があやふやになります。
例えば、連日「死にたい」と思いながら絵を描いているけど、絵はさておきとりあえず風呂入った方がいいし、そろそろ床も掃除機かけないといけないけどウググ…みたいな事もあるし、逆に、全然絵は描けないけど毎日快適、という事もあって。
そういう生活の中で生きるのって、全然「作品が良ければ関係ない」と割り切れるものではなくて、それを言っちゃえる人との間に壁を感じてしまうんです。

ただ、最近なんとなくわかってきたのは、死にそうになりながら作ったものが評価されたら意外と死なないで済む、という事。
「死にたい」と一人で考えている時って、本当に全てに絶望しているんですが「死にたいほど絶望している」と絵に描いて、それを誰かに見せると、制作が「絶望の先」になるんです。

それが解ってくると、だんだん期待するようになって「絶望の先で誰か『youの絶望、めっちゃええやん』って言ってくんないかな~。ていうか言われたいな~。」と思うようになり、とりあえずこれをサイトにアップしてから死ぬかどうか考えようかな…。あまつさえ展示とかしてみちゃおうかな…、なんて考えるようになり、最近はそのようにして、死にたい気持ちと付き合っている気がします。

「アートが人を癒やす」とか言われたら、まだ「はあ~?」って言ってしまいます。メルヘン纏えど心はパンク!でも苦しさの先に作品があり、その先に人がいるんだという事で救われる場面が最近かなり増えてきました。
悔しいけど、これがもしかしたら「アートに癒やされている」という事なのかもしれません。

そして、これはもしかしたら躁状態で書いているテキストかも知れません。と、いま思いました。一昨日まで寝込んでいたのでかなりその可能性が高いです。
でも、だからこそ、こうして久しぶりに文章が書けたわけだし、まあ多分良いのです。後々、誰かが「youの躁状態、めっちゃええやん」って言ってくれる事に期待しようと思います。


プロフィールトキン Tokin
1983年生まれ。自分の精神疾患の病状をしゃべるフリーペーパー「ゾンビ道場」を発行しています。キーワードはメルヘンとメンヘル。イラスト、絵画、ライブペイントなど、アグレッシブに絵を描く病人です。
web site:http://tokin.info/
Twitter:http://twitter.com/Tokin0528



2016-01-18 | Posted in PEOPLE, トキンNo Comments » 

 

one day 20151128 afternoon

北風がこうべを垂れたある昼下がりのサウンドトラック

20151128_oneday_s

20151128_oneday_notes_s

mix&art work by Satoshi Ogawa

Ando Umeko “Pekambe Uku”


Moondog “I’m Just A Hop Head”



profile_20131215小川哲 Satoshi Ogawa
イラストレーター。シンプルな形、パターンをモチーフにしたリズミカルな作画で雑誌、書籍、CDジャケットを中心に活動。またイラストレーションを用いたプロダクト企画にも携わる。ミュージシャンのポートレイトで音楽を紹介する「5X5 ZINE」の制作を継続的におこなっている。

web site: http://satoshiogawa.com/
twitter: https://twitter.com/panaii





2015-11-29 | Posted in PEOPLE, 小川哲No Comments » 

 

one day 20151015 morning

冷たい風と暖かな冬への郷愁が交わる朝のサウンドトラック

oneday_20151015_s

oneday_20151015_notes_s

mix&art work by Satoshi Ogawa

Jan Steele + John Cage “All Day”


Yanokami “Owari no Kisetsu”



profile_20131215小川哲 Satoshi Ogawa
イラストレーター。シンプルな形、パターンをモチーフにしたリズミカルな作画で雑誌、書籍、CDジャケットを中心に活動。またイラストレーションを用いたプロダクト企画にも携わる。ミュージシャンのポートレイトで音楽を紹介する「5X5 ZINE」の制作を継続的におこなっている。

web site: http://satoshiogawa.com/
twitter: https://twitter.com/panaii



2015-10-15 | Posted in PEOPLE, 小川哲No Comments » 

 

one day 20150829 midnight

夏の寒空、雲と雲の切れ目から8月の光が差し込んだある夜のサウンドトラック

20150829_oneday_s

20150829_oneday_notes_s

mix&art work by Satoshi Ogawa

Nils Petter Molvaer “Merciful-Ligotade” mix by Bill Laswell


Bjork “Cocoon”



profile_20131215小川哲 Satoshi Ogawa
イラストレーター。シンプルな形、パターンをモチーフにしたリズミカルな作画で雑誌、書籍、CDジャケットを中心に活動。またイラストレーションを用いたプロダクト企画にも携わる。ミュージシャンのポートレイトで音楽を紹介する「5X5 ZINE」の制作を継続的におこなっている。

web site: http://satoshiogawa.com/
twitter: https://twitter.com/panaii



2015-08-30 | Posted in 小川哲No Comments » 

 

手放せないなら一緒に持とう

来月、ライブペイントで出演するイベント「カウンター達の朗読会」のプランをこのところずっと考えています。
このイベントは、精神的な問題などの「生きづらさ」についてがテーマになっているので(詳細は文末、またはこちらをどうぞ…)、最近、病気と絵のことを話したりプロフィールに書く機会が前より増えました。

そうして考えていると、どうしても思い出すのが入院していた時のこと。その中で書き出していた文章をここに放流してみることにしました…。

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仕事ではないけど、休みでもない。あるいは、休みではあるけど、最高に休まらない時間。
入院生活は、夏の暑さも相まって、なんだかエアポケットのような不思議な印象で記憶に残っている。
(薬でぼーっとしてたというのが大きいんだろうけど)

毎日毎日話したのに、もう名前も覚えていない人。いなくなった人。遠くからお見舞いに来てくれた友達。笑ってるような困ってるような家族の顔。泣きながらどっか行っちゃった友達。
いろいろ。

すごい変だった事がたくさんあった。

自分の苦しさを置き去りにして、自殺未遂について「迷惑かけちゃった」と言った人。
「迷惑だから治す」と言う彼女の努力の矛先はどこへ向かっているんだろうと思った。治すにしても、彼女の生は、彼女のものなのに。

自分の意見を泣きながらぶちまけた友達が行動制限を受けていたのも不思議だった。きっと、発露の仕方に問題があったんです。それが今ならわかるけど、その時はピンと来なかった。思い切り表現する彼女の態度に「いいなあ」と思っていたし、黙っていたら鬱になるのに言ったら言ったでアウトなの か?なんて考えて、私は「へえ、大変だね」とか言っているだけのタイプだった。

「へえ、大変だね」と言っている自分も大変だった。でも何が大変なのかわからなかった。何が大変なのかわからなかったから、なかなか退院出来なかった。(とんちみたいだよね)

そこにいる人は、当たり前だけど、みんな大変だった。


自分のことはもちろん、入院していた人の事も、スタッフのことも、たくさん考えた、感じた。そして考えれば考えるほど「考えない方が良いよ」と言われた。そこがよくわからなかった。

決して楽しくはなかったけど、私にはとても大事な時間だったよ。
でもさ、それを話すとき、私はいつもこう言うんだ。

「超迷惑かけちゃった。精神科に入院とかやばくない?」

しかも笑って言うのさ。何も可笑しくないのに。
死ぬほど苦しかった事を「やばくない?」って突き放して笑う私の方が、よっぽどやばいよ。


あの時、直に感じて触れた、人の気持ちの奥の事。それをものすごく愛おしく感じた事。そして、それと相対する「そういうものと距離を置く方が健康的という考え方。
でも、そこを見て見ぬふりしてあまり触れず生きていくのが良いのだとしたら、私は何を見て誰のためにものを考えたら良い?

人の気持ちの話が好きだ。
極端に振り切ってしまう人とか、極端に振り切らずにいられなかった程の情動に、ものすごく惹かれる。いびつな顔で取り繕ったりしないで、楽しい事は楽しいと言えるように。悲しい事は悲しいと思い切り泣いたりワガママ言ったり、散々ふさぎこんだりして欲しいといつも思っている。
(なんて!いい事を言っている風だな。誰より、私がそうしたかっただけだ)

素直に泣くなんて、そんなのすごく難しい。泣いてもなにも解決しないし。わかってるけど、わかってるから、敢えてそういうものを作りたい。

涙と鼻水でぐずぐずになったとき、手に取るのが、ふわふわのタオルだったらちょっと良いじゃない。
死にたい気分で倒れ込んだベッドに、柔らかいクッションがあったら、ちょっとだけ良いじゃない。

「最悪」から少し目を反らしたくなったとき、自分の絵が機能してくれないかといつも思っている。共感か、安心か、気紛らわしか、そういうものを作りたい。

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私が、彼女達が、手放せなかった「生きること」を、細い糸みたいにして、つなげて、考えていきたいです。
全然タフじゃない。まだ糸だよ。ロープなんかになってない。
でも、これでも、結構繋がってさ、割と太い糸にはなったと思うんです。

20150617蜻顔衍

生き辛さを抱える全ての人へ捧げる朗読ライブ
「カウンター達の朗読会vol.7」
~きみの手でカウンターパンチをするための57577~

2015年7月11日(土)
会場 新宿 ネイキッドロフト
OPEN 18:30 / START 19:30
前売/予約 ¥1,500 / 当日 ¥2,000(共に飲食代別)

【出演】
成宮アイコ(こわれ者の祭典)
葛原りょう(大衆文藝ムジカ 編集長)
Tokin(ライブペインティング)
タダフジカ(ギター&クラリネット)
川瀬由紀子(ピアノ)

前売りチケット情報、イベント詳細はサイト(http://tokin.info)をご覧下さいませ。
よろしくお願いします!


プロフィールトキン Tokin
1983年生まれ。自分の精神疾患の病状をしゃべるフリーペーパー「ゾンビ道場」を発行しています。キーワードはメルヘンとメンヘル。イラスト、絵画、ライブペイントなど、アグレッシブに絵を描く病人です。
web site:http://tokin.info/
Twitter:http://twitter.com/Tokin0528



2015-06-20 | Posted in PEOPLE, トキンNo Comments »