OFP STAFF, インタビュー

インタビュー #9 「 手紙暮らし」



皆さん、最近手紙書いていますか?

僕は、20歳くらいの時に当時好きだった女の子に書いたのが最後だと思いますので、もうかれこれ10年以上も前のことになりますね。手紙って書いている本人の想いがすごく乗ってきやすいので、その後溢れでた感情により無事立派なストーカーが爆誕した記憶がありますけど。
まぁまぁ、ちょっと待ってください!この先、僕の季節はずれの怪談話は一切出てこないので何卒このページを去らずに先を読み進めていただきたいのですが、、、
(とりなおして)今目の前にいない自分以外の誰かに言葉を届ける手段がシンプル且つ迅速になり、それと同時に重要な何かを介入させるための隙間さえも利便が踏み消してしまったように感じる今日この頃です。

各方面で見受けられるアナログへの立ち返り現象は、単なる懐古主義では済まされない何かを内包しているように思わずにはいられません。
そんな中、スマートフォンサラブレッド世代の高校生が手紙について書き綴るフリーペーパーがあるというのを耳に挟み、これは話を聞かないわけにはいかないと思い、発行者の江森みずほさん(上部写真左)と岸田カノさん(同右)に学校生活も忙しい中、時間を作っていただき、お話を伺いました。

『手紙暮らし』

手紙を書くことの楽しさ、文通をすることの魅力を伝えるフリーペーパー。創刊は2017年7月。「インターネットで探したり、知り合いを伝ったり」という配布先は全国にまたがるがほぼ配布終了状態。現在は11月に発行予定の第2号を製作中。
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・手紙暮らしの始まり

松江:まずは、二人の出会いを伺えますか?

江森:私たちは二人とも、海外の方と文通をしていて、そのもらった手紙とかの写真をInstagramで紹介しているんですけど、そこでフォローし合っている関係だったんです。

松江:じゃあ、Instagramを通じて二人は知り合ったんですね。

江森:はい、そうです。でも特別仲が良いということではなくフォローし合っている中の一人でした。

松江:そこからフリーペーパーを作るに至った経緯を伺えますか?

江森:私は、海外の方を中心に文通をしていて、どの手紙もすごく素敵でもらった時すごく嬉しくて、とてもワクワクするので、このワクワクをみんなに共有したいなと思っていたんです。でも文通ってそもそもやってみようという選択肢が(周りの人には)ないので、文通を始めるきっかけ作りみたいなものをどうにかして作りたくて、それはどんな形でもよかったんですけど。
そんなある時に高校生でフリーペーパーを作っている人に出会う機会があって、「フリーペーパーいいかも!フリーペーパーならできるかも!」って思ったんです。それで誰とやろうかと考えた時にInstagramで同じ高校生で文通してる子がいることを思い出してすぐにDMをして、「一緒にやってみない?」と誘ったらのってきてくれたので始めました。

松江:そんなDMが来た時、どういう思いでしたか?

岸田:みずほとは最初に少しコンタクトをとっただけで1年ほどは特にやりとりはなくてお互い写真に【いいね】しているだけだったんですけど、ある日突然DMが来てたので見たら面白そうな内容だったので「是非!」って返事しました。そのあとお互い予定を合わせて会いました。

松江:じゃあその時に初めて顔を合わせたんですね。

江森:はい、結構ドキドキしました(笑)。

松江:フリーペーパーというものに関して以前に何か知識やイメージって持ってましたか?

岸田:親が紙ものが好きなので、フリーペーパーが置いてあるレストランとかに行くと料理待っている間によくフリーペーパーラックから取って来て読んでいました。でもまさか作る側にまわるとは思っていませんでした。



・文通のきっかけ

松江:文通はいつからやってるんですか?

江森:今高校3年生なんですけど、中学3年生の終わりからやっていますね。

岸田:私は今高校2年生で、海外の方を文通を始めたのは中学3年の終わりくらいからですけど、日本人の友達とかとは小学生の頃からです。

松江:小学生から文通ですか!えっとそれはいわゆるペンパルのような?

岸田:いえ。引っ越したのがきっかけなんですが、引っ越した先に友達が手紙をくれたんです。もともと書いたりすることが好きだったのもありますし、時間もいっぱいあったので2日に1回くらい書いてましたね。

松江:インターネットを使えば海外の方ともすぐにコミュニケーションを取れると思いますが、あえて手紙というアナログな手段を使った理由はありますか?

江森:小さい頃に読んだ絵本の中に手紙が山積みになった絵があったんですね。それがずっと心に残っていて、何かわからないけど好きみたいな。あと切手シールみたいなもので遊ぶのも好きでした。中学生頃になって『私、手紙が好きかも』って自覚し始めて、色々手紙について調べていたら【ポストクロッシング】っていう世界中の人とハガキを交換するプロジェクトがあるんですけど、それを見つけて『じゃあやってみよう』と軽い気持ちで始めたらハマったというのですかね。

岸田:私は、とにかく紙を触っているのが好きで、手紙もそうだし本を読むのも好きだし、図書館に行って紙を触ったり匂いを嗅いだりペンを持ったり、そういう感覚全てが好きで、そこからお手紙交換とかに広がって、そういうものがどんどん日常の中に入って来たという感覚で、特別これだっていうものはないんですけど。

松江:Instagramを見せてもらったんですけど、色々な国の方とやり取りしていますよね。そもそも世界各国の方とどのように繋がるんですか?

江森:世界中に私たちと同じように文通専用のInstagramアカウントを持っている人がいて、それがあるとお互い(文通を)やっていることがわかるので「私ともやらない?」みたいなDMが来たり、こっちから送ったりみたいな感じで繋がります。結局文通もInstagramから始まります(笑)。

松江:めちゃめちゃ面白いですね、それ(笑)。



・文通にまつわるあれこれ

松江:文通相手を選ぶ基準ってあったりするんですか?

岸田:同世代が多いです、だいたい(自分の年齢と)プラスマイナス5歳くらい。

江森:みんなどこの国も同じくらいの年代で探している人がほとんどです。

松江:何人くらいの方とやり取りしているんですか?

江森:ほんとは30人くらいいるんですけど、海外だから時間かかったりお互い忙しかったりで、密にやっているのは10人にも満たないくらいです。あとの20人は思い出した時に出したりで年に数回とか。

岸田:私は20人くらいで、よくやり取りしている子で1ヶ月に1回とかですね。

松江:Instagramに並んでいる写真を見る限りでもすごい数の手紙がありますよね?

江森:最近は忙しくてお休みしてるんですけど、多い時で年間300-400通くらいやり取りしてましたね。ほぼ毎日届いていたので。

松江:400!??岸田さんも同じくらいですか?

岸田:私はもうちょっと少ないですけど、100通くらいです。

松江:それでも100かあ。それと、どれも写真が整然としててとても素敵ですよね。

江森:手紙って自分もそうですし、相手も私のために時間かけて書いて飾ってくれたものなので。家に山ほど手紙がありますけど一つ一つがとても重いです。そういう重さは大事にしたいと思って撮ってます。

岸田:「この封筒の柄にこの切手合わせたのかぁ」とか思いながら写真を撮っているとその時自分が感じているワクワク感とかがそこに残る感じがして、撮っていてとても楽しいので余裕ある時は結構力入れて撮ります(笑)。

江森:自分が送った手紙を相手が投稿してくれてるのを見た時にやっぱり嬉しいので。お互いに『届いたよ!』ってInstagramに載せるまでが文通(笑)。

松江:なるほど〜!!

江森:でもそれがすごくいいなーと思っていて。(デジタルとアナログが)共存している感じがまた魅力的だなーって思います。私もSNSとかすごく使いますし、助けてほしいくらいiphone依存症です(笑)。

岸田:よく「SNSとか嫌いなのでしょ〜」とか言われるんですけど、かなりの確率で携帯見てるし、今の社会で生きてるからどっちも好きだなーって思いますね。

松江:すごい学びがあるなーその辺の話。



松江:ちなみに文通相手は日本人の方もいるんですか?

江森:私は一人だけですね。それも友達で、面識のない人とはしていないです。

岸田:私は20%くらいです。

松江:それは、異文化交流とか英語力の向上とかが目的だったりするんですか?

江森:中学生の時に色んな国に海外旅行行ってみたいと思っていたんですけど、時間もお金もないから実際に行くことはできないんですけど、色んな国の人と文通することで世界旅行した気分になれて。(言葉のやり取りだけでなく)物とか届いたりすることもあるので。そのことは手紙にハマるきっかけになりましたね。聞いたことのないような国の人でもその人が書いたものが今ここにあるんだと思うと、なんか世界ってどこも近いなみたいな。そういう部分に感動があったので海外の人が多いです。

岸田:そもそも日本人の方で手紙のアカウントを持ってやっている人が海外の方に比べると本当に少なくて。Instagramで日本人の方の(手紙専用の)アカウントを探すっていう感覚があまりないです。

松江:へえ〜。そうなんですね。

岸田:手紙が届くと家族も毎回興味津々で、おじいちゃんおばあちゃんもすごい目を凝らしてアルファベット読み取って「おおこれはスイスからじゃないか」とか。もう体が若くないので実際に海外の色々なところに連れて行くのは無理なんですけど、手紙で繋がることでそういう行けない人を連れて行けるっていうのがあるかもねっていう話を母親としていました。

松江:確かに、facebookとかでも海外の方と繋がれますけど、現地の気分を味わうのは難しいですもんね。

江森:匂いとかも違うので。手に取って封を開けた時に「うあ!海外の匂いがする!」とか。



松江:ちなみに文通相手と実際会ったことはありますか?

江森:一回あります。でも英語喋れないから不安すぎて、学校の帰国子女の子を連れて行ったんですよ。そうしたら向こうも英語があまり喋れなくて、向こうが連れてきた英語が喋れる友達と私の(帰国子女の)友達が仲良くなっちゃって、なんか寂しいなって思った思い出があります(笑)。
10月にフランスから来る予定のペンパルがいるので、その時は帰国子女を連れて行かないで一人で頑張ろうかと思ってます。

松江:手紙にまつわるエピソードで、他に印象的なものって何かあったりしますか?

江森:鹿児島県に仲良くしてくれている方がいて、手紙のやり取りをしているというか、私が旅先からハガキを送ったりするんですけど、「いつもみずほに手紙を書こうと思うけど、なんて書いていいのかわからずやめちゃうんだよね」みたいなことを言っていて。その方はさつま揚げを製造されている方なんですけど、「これが僕なりの返事です。」ってたまにそのさつま揚げを送ってきてくれるんです。私はそれが彼からの手紙だと思っていて、手紙って別に紙でなければいけないとか文字が書いていなければいけないとか思ってなくて、もっと自由なものだと思うんですよ。だとすると手紙の定義ってなんだろと思っていて。それがなんなのか私も今探してる最中なんですが。それについては考えていきたいですね。

松江:手紙の定義かぁ。確かに面白いテーマですね。

江森:今後フリーペーパーでその辺りをやりたいと思ってます。

松江:特に海外の方と文通することで感じたりすることはあります?

岸田:日本人であることを強く認識したっていうのはあります。海外の方と関わることでその国の文化とは違うんだなって思いますし、そもそも【日本人】として見られているので。そういう世界の中にいると、やはり日本人として日本の文化に興味を持ってもらえると嬉しいし、全力で伝えたいと思います。

江森:世界に対して抵抗がなくなりましたね。例えば、アゼルバイジャンとかよくわからない国でも、そこには同じように高校生がいるし、同じような考えを持って、同じように可愛いものが好きだし、それでその人が書いたものがここにあるしみたいな。なんか繋がれない世界ってないなって思って。

松江:それがインターネットじゃないっていうのが面白いな〜。

江森:インターネットの方が逆に遠い気がします。

岸田:その子が選んだ紙や封筒で、その子が書いた字が届くことでそこでその子が生活して当たり前のようにその子が存在しているんだなってことを実感します。

松江:あ、生きてた!って?(笑)

江森・岸田:(笑)

岸田:ニュースとかで海外の情報とかが耳に入ってくるとその情報だけを意識してしまって、行ったこともないし特に考えもしないのに、自然とその情報が脳に刻まれてしまっている部分がすごくあるなっていうのを手紙を始めてから気づいて。この国の人はこうだとか、性格はどうだとか。手紙を書くって送る相手のことを考える行為でもあるので、もしかしたらそれ自体が世界平和に繋がるんじゃないかと思って(笑)。
だって、ペンパルがいる国で戦争が起こったら『◯◯ちゃん大丈夫かな』って考えるし、日本で地震があった時も「大丈夫?カノ」って連絡をくれて。

江森:テロとかあっても【世界のどこか】で起こっている出来事だったのが、誰かのことを考えることで人ごとじゃなくなったのが大きいですね。



松江:海外と日本の手紙文化の違いって何か感じますか?

岸田:郵便事情は国によって全然違いますね。日本の郵便が如何に早いかというのもだんだんわかってきました。ロシアと中国はのんびりで、なくなっちゃうこともたまにあります。それも含めて面白いなって思います。そういった時間を感じることで『手紙も旅をしているんだな』って感覚になります。

松江:手紙とメールとかLINEの違いついてはどうですか?

岸田:手紙が一番【空間がある】と思っていて。封を開けた時に、自分と相手とそしてそこに書かれている内容、その世界がそこに詰まっていて。LINEとかは日常の続きというか。特別な空間はそこにはないっていう認識があります。

江森:フリーペーパー作り始めてから思ったんですけど、手紙って感情を保存できるなーって思っていて。嬉しいこととかムカついたこととか心動くことがあった時に、例えば『来週話そう』だと来週にはもう冷めちゃってると思うんですよ。LINEでその時送っても来週見返したらそれはそれで冷めちゃってる。でも手紙だと、書いているその時の感情が紙に保存されてると思っていて。だから時が経って自分の感情は更新されても、その読んだ先でまた感情が蘇るというか。SNSではそういうのはないと思います。

松江:時差で感情が届く!

江森:はい。お互いの時間の中で感情を共有できるなと思います。あと、周りの友達が言ってた事なのですがtwitterやLINEがあるからこそ手紙っていうものが特別に感じる、だから好きって。



・再びフリーペーパーのお話

松江:こう言っては失礼かもしれませんが、すごく良く作られていて、デザインとかも可愛いし、そして1000部も刷っていると伺いましたが、まずお金の工面はどうしているんですか?

江森:調べたら1000部なら5万円でできるっていうのがわかって、結局そんなかからなかったんですけど。それなら2人で折半したらバイトとかすれば特別賄えない額でもないかなと思って。それに趣味の延長なので、それなら払ってもいいかなと思って。
1号目を出した時に個人協賛を募ったんですけど、それとは別に企業協賛もいくつかいただけて、そのおかげで2号目は今の所なんとかなりそうです。

松江:じゃあ、1号目は完全に自腹ですか??

江森:1号目に掲載させていただいた切手展の広告費とあとは自腹ですね。

松江:紙面もそうですけど、個人協賛を募っているところとか、その募集の文面とか全ての道筋においてすごくきちんとしているので、正直『これ絶対後ろに大人いるな』って思ってたんですよ。

江森・岸田:(笑)

松江:じゃあデザインとかレイアウトも全部自分たちで?

岸田:二人で「こういうのいんじゃない?」というのを言い合って「こういうのいんじゃない?」の重なり合いで出来ていきました。

松江:どうやって作っているんですか?イラストレーターとかですか?

江森:ほとんどパワーポイントとかキーノートとかですね。イラストレーターは高くて買えないので、学校のPCに入ってるやつをたまに借りたくらいです。

松江:まじかー。え、じゃあこういうのも(シンプルだけど立派な名刺を始めにいただきました。)全部自分たちで?

岸田:それは名刺を頼める一番安いところを探して作りました。最近、名刺作っといてよかったなと思います。色々な方と会う機会があって大人の方は皆さん名刺持っていらっしゃるので(笑)。

江森:自分たちの気持ちをあげるためにも形から入ったみたいなところもあります。



・手紙暮らしと周りの人たち、そして今後

松江:親御さんはこういう活動をどう見てます?

江森:温かく見守ってくれています。お金の部分でも少し協力してくれてたりしますが、協賛であれ知り合いの方からお金をもらうのはよく思っていないみたいで。知り合いの方とかにフリーペーパーをあげる時に「あ、あの協賛を募る紙抜いといたよ」とか言われました(笑)。

松江:(笑)

江森:「なんかいやらしいじゃん」とか言って(笑)。

岸田:始めた時に、「あんまり大きくしない方がいいよ」とは親に言われました。「盛り上がりすぎないようにしなさい」って。

松江:このインタビュー大丈夫ですか?(汗)

江森:大丈夫です。ありがたいです。

岸田:でも最近は「インタビュー行ったよー」とかそういう話を(親に)すると「素晴らしいね!」みたいな感じでだんだん理解してくれるようになりました。最近は(自分が)調子に乗らないように気をつけてます(笑)。

一同:(爆笑)

松江:調子に乗ってるフシがあるんですか?(笑)

岸田:いや、なんかウキウキしてきて、あー調子に乗ってるなーって(笑)。
何でもそうですけど、今ある状況を当たり前だと思わないようにしたいなとは思ってます。

江森:こうやって話聞きたいって言ってくださることを光栄に思って。

松江:偉いなぁ。。。

松江:じゃあ今は自分たちが【手紙暮らし】というメディアを作っていることに自覚を持ってやっていると?

江森:やっぱり作ってても人の手に渡るまで実感が湧かなかったんですけど、今は、感想を言ってくださったりとか、応援してますって言ってくださったりとか、そういうリアクションが返ってきて、こうやって本当に人に読まれるんだってジワジワと実感してます。ウキウキしちゃいますね(笑)。

松江:周りの友達の反応はどうですか?

江森:フリーペーパーについては、学校の友達は本当に応援してくれていて、読みたいと言ってくれるし、感想をくれるし、時にはクラスのみんなが作業を手伝ってくれたりもするのでとても感謝しています(笑)。
実際文通を始めるに至る人はまだ少ないですねけどね。

松江:いいねー、、、終わりみたいな?(笑)

江森:はい。でも、フリーペーパーを読んでくれてその後に手紙で返してくれたり、そのまま文通少し始めたり、私が手紙を楽しんでいる姿を見て「私も誰々に手紙書いてみたよ」とか言ってくれる人も出てきていて。私がきっかけで一通の手紙が生まれたらすごい幸せだなって思います。

松江:もっと大きくしたい願望はありますか?

江森:ありますね。というか、元々の思いが【もっと手紙のことを知ってほしい】というところなので、多くの方に読んでもらえるのはすごい嬉しいんですけど、今は【手紙好きの方】の中で広まっている気がしていて、(手紙が興味ない方も)手紙暮らしを読んで、『ああ、手紙っていいな』って思ってもらいたいので、そういう意味ではもっともっと広がるようはしたいです。

松江:やりたいと思うことと実際やることの間にはとても大きな壁があると思うのですが、実際に形にしたそして今後もやっていくモチベーションってなんですか?

江森:『手紙いいねー』で終わっちゃって、始めない人がいることがモチベーションですね。じゃあそういう彼らを始めさせるにはどうしたらいいんだろうっていう。
第2号では、じゃあ実際文通相手を見つけるにはどうしたらいいのかとかそういうことを具体的にやろうと思っているんですけど。前の号で伝わっていないことがあるならそれが次の号のモチベーションになります。

松江:フリーペーパー製作は一人でもできるといえばできるじゃないですか。岸田さんを誘ったのは自分のモチベーションをあげるという意味合いもあったんですか?

江森:それもありますし、好きなものが同じ人と喋ることで一人では思いつかない新しい発見とかもあって、感情を共有できるのが大きいですね。

岸田:手紙をやり取りして、写真撮って、Instagramにあげてというのは楽しいんですけどそれはどちらかというと、一人の価値で完結していることで、今までの自分は、それを共有しようとかあまり思っていなくて、まあ手紙好きな人もいればそうじゃない人もいるだろうし、みたいに思っているところがあったんです。でもフリーペーパー作りを始めてから、自分とは違う感覚を持っている人の意見や想いを知る機会を多く持たせていただいて、自分の世界も広がっていったり、視野が広くなっていくことをひしひしと感じているので、フリーペーパー作りに誘ってくれたみずほにも、手紙暮らしを作るにあたって関わってくれた方々にも、すごく感謝しています。あと、インタビューとかの時に二人だとすごく心強いです(笑)。

江森:(うんうん。とうなづく。)

松江:学校があって、部活もあって、という中でフリーペーパーを作るのは大変じゃないですか?

江森:大変ですね(笑)。

松江:フリーペーパー作りってそもそも別にやらなくてもいいことじゃないですか?忙しい中で、それでもやるっていうパワーはすごいですね。

江森:確かにやらなくても高校卒業できるし、学校生活も毎日楽しいし、満足してるんですけど、嬉しいことがあるとやっててよかったなって思いますし、世界もすごく広がりますし、、、

松江:世界が平和にもなるし。

江森・岸田:(笑)

松江:めちゃめちゃ素晴らしいことづくしじゃないですか!これから進学のことで色々忙しくなったり、そのあとは大学生になったりでどんどん環境は変わっていくと思いますが、ぜひ続けてほしいですね。



立派なフリーペーパーを作る高校生たちは、おそらく同じ年代の彼らとほとんど何も変わらない、等身大の2人組でした。
ただ(今回のインタビューで知る限りでは)一つだけ違うものを持っていて、それは手紙への大きな愛という何者にも代えがたいものでした。
手紙を取り巻く環境は大きく変化しましたが、その本質は何も変わらず、変わってしまったのは僕らなのかもしれない。アナログとデジタルを、そうすることが当たり前というように使いこなす彼女たちのお話を聞いているとそんなことを深く考えさせられました。
今日僕は早速ペンを取り、誰に書くのかそもそも誰かに向けて書くのか、そんなことは考えずにただただ思ったことを紙に記しています。
皆さんも、どうですか?
喧騒の中で慌ただしく日々を過ごすのも悪くありませんが、フッと一息ついて久しぶりに手紙など書いてみませんか?


interview・text 松江(ONLY FREE PAPER)
photo 野村(ONLY FREE PAPER)


2017-10-09 | Posted in OFP STAFF, インタビューNo Comments » 
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