松江健介, PEOPLE

Student Freepaper Forum 2013 総評

学生フリーペーパーの祭典Student Freepaper Forum 2013(以下SFF2013)がさきほど終了致しました。

このSFFというものを簡単に説明いたしますと今年一番魅力的だった学生制作のフリーペーパーの頂点を決める大会であります。【詳しくは こちらをご覧ください。】
そして、終わったばかりの会場の熱気が未だ残っているうちに、私松江から見たSFF2013の総評を書き残しておこうかと思います。

結果として約100団体が参加したSFF2013の頂点は、宇宙フリーマガジン「TELSTAR」が発行一年目にしてその座に輝きました。

 

TELSTAR

TELSTAR

 

今回昨年に続き一次審査をやらせていただいたのですが、その一次審査をしている段階で、すなわち参加全冊子を審査している段階で、今年のTELSTAR優勝は予想しておりました。もっと言えば、僕がTELSTARの存在に気付き、実際冊子を見せていただいた段階(創刊号が出た今年の始めのほうだったような、、)で予感はすでにありました。
こんなことを言うと馬券も買っていないレースで結果が出た後に「な?3-6-10だって言っただろ?」みたいなこというおじさんみたいな感じでウザイかもしれませんが、しばしお付き合い下さい。
つまり、僕にとって今回のSFFおよびその審査はTELSTARを脅かす存在がいるのか否か、それの確認作業という意味合いが強かったです。
僕が担当したのは一次審査のみなので二次審査および最終プレゼン・最終審査は遠くから見守るという形で確認作業をしておりました。最終プレゼンを終えた時点でTELSTAR優勝の考えはやはり変わらなかったので、TELSTAR優勝は間違いないと思っておりました。

では、そこまでのインパクトを残したTELSTARの何が良かったのか。
まずは、テーマ。宇宙。
この時点で勝ちがすでにある程度決まっていたように思います。誌面を拝読させていただく前の話です。
「評価対象見る前に決まるってなんだよ!」
「個人的に宇宙が好きなだけじゃねーのかよ!」
そういうお声、あると思います。
宇宙は皆さんと同等ほどの多少の興味がある程度です。想像の範囲を軽く超える正体不明のものに興味を抱くくらいのものです。
僕が思うのは、宇宙というテーマは好きじゃなきゃ絶対にとらないということなのです。つまりものすごい宇宙好きな人間が作ってるフリーペーパーなんだろうなということがその時点で容易に想像できるわけです。
審査員の嶋さんが、本日の総評でも仰っておりましたが好きという情熱はフリーペーパーづくり、もっといえばモノづくりには一番と言っていいほど大事なことなのです。
そこで今年の一橋大学の文化祭にTELSTARの方に直接会いに行きました。宇宙愛を確認するために。
宇宙に魅了されたヘンタイがそこにはおりました。一見どこにでもいる普通の学生さんたちがひとたび宇宙の話をしだすと目を輝かせ、体中から光を発し始めました。その時にTELSTAR優勝の予感はある程度の確信に変わりましたね。
さらには、好きなだけでは手に取ってもらえないというものをしっかりと考えている彼らは外部からデザイナーを参加させ魅力的な誌面を作り上げるという一連の流れもしっかりと組んでおりました。

最終プレゼンでは、「宇宙人」というキーワードをひとつフックとして用いておりました。いわゆるグレイの類ではなく宇宙の事を好きな人、宇宙に興味がある人そういう広義な使い方で宇宙人というキーワードを使っておりました。とても面白いなと思いました。

熱、コンセプト、デザイン、編集。課題はもちろんありますがその未熟さも含め僕の中では、TELSTARは圧勝でした。

昨年も審査員をやらせていただき、その前年、そのまた前年、と注目させていただいておりましたSFFですが、実は会場にお邪魔したのは今回が初めてでした。
ですので、前回に比べてどうだったとかその類のお話はできないのですが、印象として小さくまとまっているなーという思いが強くありました。
最終プレゼンも何か就活の面接のような雰囲気でした。
開会の挨拶でいいました、フリーペーパーのフリーは「自由」なんだと。2000年以降クーポン誌の躍進によりこびりついてしまった「無料」というパブリックイメージから自由を奪還するのだ、と。後者は僕が勝手に付け加えましたけどね。
しかし実際の内容は、自由と言う雰囲気はあまり感じられず、きれいにまとまりすぎている印象でした。
閉会後の交流会でも、審査員の方々や制作団体同士アドバイスを聞いている姿が多く目につきました。本日いらしていた審査員の方々は皆さんそれぞれご活躍されている方々で話を聞くいい機会だったと思います。将来この道を考えている学生さんにとっては貴重なことであったと思います。
しかし、一人や二人、悪態をつくまでとはいいませんが、自分が一番おもしろいわ!と闘志を燃やす人、悔しくて悔しくて堪らない人、そういう空気があってもいいと思うんですよね。アカデミー賞やグラミー賞なんかで自分以外が受賞した時にカメラで抜かれてる人で結構複雑な表情していたり不満が顔に出てる人多いですよね。
未だにフリーペーパーに優劣つけることについては色々思うところもありますが(これについてはここでは論議を控えます)、大会としてやるからには勝負なんですよ。終わった後の会場をその辺に気を集中させて見ていましたが、悔しがっていたのは一番受賞の望みが薄そうなくしゃっとペーパーの中原さんだけでした。

今後は学生ならではのパワーが前面にでているような冊子および大会に期待したいですね。
プロじゃないからうまくできないところがあって当たり前。そんなのは気にしない。俺は私はこれを伝えたいんだ。そういう不完全の美しさ・愛おしさを僕は見たいんですよね。
あともうひとつあるとするならば、これはフリーペーパーはそもそも採点するものなのかという話とダブるところなのですが、それは基準をどこに置いたらいいか難しいというのが一つあるからなんですよ。
フリーペーパーは着眼点の付け方で決まる。いや、熱があれば伝わる。流通性・実用性が優れているといいよねやっぱ。
単純に冊子としてのクオリティが高ければいいのか?という問題でもないわけで、審査する人間の見方によって色々な評価ができてしまうんです。本日審査員でいらしていたRe:Sの藤本さんがFASTNER.という冊子についてこんなようなコメントをされていました。
「デザイン的なクオリティはとても高い水準にあるがそれを評価する賞がなかったんだよね」
このFASTNER.という冊子は多くの人が見て最終5団体の中での冊子としてのクオリティはずば抜けていたと思います。それをさしひいてもTELSTARの宇宙愛が勝ったのだと思いますが、今後はこのあたりの明確な判断基準・審査基準の設定をSFF運営委員会の皆さんにはお願いしたいなと思いましたというところで総評を終わりにしたいと思います。

期待している分だけ厳しいコメントにもなってしまいましたが、本当に頑張って欲しいですし、学生のパワーまだまだこんなもんじゃないはずです。

最後に代表の飯田さんはじめSFF2013運営委員の方々、本当にお疲れ様でした!


松江健介松江健介 Kensuke Matsue
ONLY FREE PAPERオーナー。株式会社Beatfce代表取締役。フリーペーパーおよびリアルフリーの業態の可能性について日々頭を悩ます。



2013-12-27 | Posted in 松江健介, PEOPLE1 Comment » 

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