松江健介, PEOPLE

オープンKIITO ’18 レポート

今回こそは!と思いつつ気づけば遅レポに…
こんにちは、松江です。

ホットなうちに書き上げてしまいたかったオープンKIITO’18のレポートですが、なんだかんだで3週間が経過…
イベント帰りの新幹線で途中まで書き上げたその量まさかの二行…頭の中で保存されていた文量の何十分の一だよこりゃ…
絶望をガソリンにここからは一気に行きます。



3月24日、神戸市の施設【KIITO】にてフリーペーパーのイベントを行わせていただきました。
オープンKIITOという一年に一度のイベントに毎年呼んでいただいておりまして、今年で5年目の開催になりました。
毎回の出展にて、私松江がフリーペーパー専門店・店主として『今、読んで欲しい50誌』というテーマで集めさせていただいたフリーペーパー・フリーマガジンを配布・展示するという企画をやらせていただいております。
2015年、2016年、2017年、とプラスαのトークイベントや特別展をやらせていただきましたが、今回は上記企画展のみになりました。が、単体でも十分なコンテンツと(結果的に)過去最高の来場者数でした。

以下、2018年度のイベントにご協力いただいたフリーペーパー・フリーマガジンです。
大学喫煙所名鑑
ヘルスグラフィックマガジン
WE/
ORB
himagine
月刊妄想星占い
TOKYO VOICE
別府地獄極楽新聞
畑々
CEL
宣伝広告
わに
手紙暮らし
SとN
hinagata magazine
鶴と亀
ナイスガイ
縄文ZINE
職・漁師
RAINBOW MAGAZINE
他人
夕焼けアパート
GO Journal
RAW
ふくしままっぷ
原波布読物紙
灯台どうだい?
茨女
odai magazine
mammoth
十六夜風車
雲のうえ
田んぼと油田
peeps
季刊にゃー
サブカミチャー
鉄聞
座・高円寺
詩ぃちゃん
UNDIES ZINE
Tech Tech
南部再生
いこい(not free)
マヌペーパー
BACKPACKER
飛騨
BOOKMARK
しくみまんがシリーズ
長岡『日本酒』『錦鯉』
とんじこんじ
(順不同)

















5年もやらせていただいておりますと流石にお客さんの反応や会場の空気の変化など感じることがありまして、その辺りについて少し触れておこうかと思います。

一昨年に関しましては、現地でレポート動画のようなものを撮らせていただいた関係で、ある程度の数のお客さんに直接感想を伺う機会があったのですが、あまり積極的に話しかけるのも邪魔になってしまうかと思い今回は基本的に直接お話を伺うことはありませんでした。(その代わりに、全50誌の解説フリーペーパーを配布しました)
従って、お客さんの生の声を一つ一つ拾ったという訳ではないということはご承知いただきたいのですが、個々のお客さんが《フリーペーパーが何だか面白いようだ》ということを知った上で来てくださっているという印象を今回の出展では強く受けました。
1回目や2回目の開催では、何だかよくわからないけどフリーペーパーってこんなに色々あるんだね〜、へ〜すごいね〜という反応が大半だったような気がします。そして、オープンKIITOというイベントに於いてONLY FREE PAPERの出展は、《何となくたどり着いたイベント》という位置付けでした。それは決してネガティブなことではなく、偶然の出会いや発見を大事にして欲しいという意味で、呼んでいただいたKIITOさんにはとても感謝しています。もちろんそれは今回も変わりませんが。
それが、昨年辺りから明らかに目の色が変わったと言いますか、目当てにお越しいただいている方の比率がグンと上がりました。(これは受付で案内をされている方から伺った話なので印象ではなく実際の話です)



ここには色々考えることがあるなーと思っておりまして、
まずは、続けることの重要性。
どんなことでもただ続ければ良いというある種の楽観的見解を提言しているのではなくて、ある程度時間がかかることもあるという事。何事もスピードが求められるご時世においてそのタイム感とは別次元でのみ浸透し、理解を得られることがあるという事。特に新しいチャレンジや分野においては。ここでの話の要点とは若干ズレますが、各フリーペーパーを発信する事ももちろんそうです。今回出展していただいた『himagine』というフリーペーパーなどはまさにそれです。
当時の法政大学の仲間で始めたフリーペーパーは、すごくざっくりと説明しますと同人誌のようなもので、一部のフリーペーパー好き以外には中々刺さりにくいだろうなーという代物でした。また、(こう言っては失礼かもしれませんが)目立った創作をする方で多い《天才型》というタイプでもありませんでした。しかし、大学を卒業した時点で発行が終わるあるいは創作そのものを止めてしまう方が大半の中、その後も細々と発行を続け現在18号まで発行されています。そしてどういうわけか15号辺りから明らかに読み物としての質がグンと上がったのです。この辺りの原因はよく分かりませんが、いやが応にもあの有名な『ウサギとカメ』という話を思い出してしまいました。実際僕の周りやSNSでの反応を見ても(良くも悪くも)話題に上がる回数がめちゃくちゃ増えました。どこかの時点で諦める事も同じくらい大事なのかもしれませんが、《諦めたくない》と思っていたり、《自分の中でなんか違う》と思っていないうちは、個人的には何事も続けて欲しいと思います。
そして、フリーペーパーという言葉に喚起されるイメージの幅が格段に広がった事。
今やフリーペーパー=クーポン誌・求人誌ではなくなっている事。もっと詳細に言うとすれば、フリーペーパーが自由で面白かった時代の復権。ただ戻って来ただけではなく、現代に呼応する最新のヴァージョンアップも抜かりなく。そんな事が言えるのかもしれません。昨今、ラジオやTVといったメディアからも熱い視線を受けるフリーペーパーも少なくなく、『縄文ZINE』『鶴と亀』『灯台どうだい?』といった人気フリーペーパーは書籍化されるに至りました。地域を盛り上げる手段として力のこもったフリーペーパーを活用していく事例も多くなりました。今や一部のカルチャー好きの嗜好品や広告戦略のツールだけに留まらず、制作側も読者側も多岐に渡っています。
さらには、フリーペーパーというメディアが持っている不可測的なパワー。
「フリーペーパーの魅力とは何ですか?」フリーペーパー屋として何十回(もっとかも?)と聞かれてきた質問であり、僕が知る限りのことはその都度お伝えしてきましたが、結局《よくわからないけどワクワクするものがここにある》という事に尽きるんですよね。そういうものを探求し言語化していくのが僕のような人間の役目だという事もわかっていますし、それはトライし続けていく所存ですが、正直「何でも言葉で欲しがりすぎじゃね?」って思う部分も多々あるんですよね。インターネットが人と人との物理的距離を一気に縮め、あらゆるハードルを越えて交流できるような世界を構築しました。そしてその中で取り交わされる通貨が文字である以上、何でも言語化したがるのは理解できますが、ヒトとヒト・ヒトとモノ・ヒトとコトがフィジカルでぶつかり合って生まれるものってインターネットのどこを検索しても見つからないんですよね。もちろんこれは無料の本に限らず、有料の本にも言えることではありますが、この文脈で言えばフリーペーパーの方がより《インターネット的》ではあると思います。知らない事や価値観を知っていく過程を楽しむ余白は常に持っていたいし、そのストーリーが時には結果よりも大事になる事もあります。説明が出来ないけど好きっていう事は、説明出来ちゃう好きよりもずっとあなたの心に残っているって事心あたりありませんか?
『ナイスガイ』という、かもめブックス【神楽坂】の柳下さんをもってして「宇宙一いらないもの」と言わしめたフリーペーパーは、多くの人から愛されています。(もちろん柳下さんからも愛されています)
『ナイスガイ』のことは、説明するほど野暮ったくなってしまうので、是非とも総集版の『超ナイスガイ』をご購入ください。当店でも販売しておりますし、ここからでもご購入いただけます。
注)購入は自己責任になります。購入後のクレームは当店では受け兼ねますので、直接ナイスガイ編集部までお願いいたします。

販売も行われた書籍化したフリーペーパーたち


イベントのレポートとはあまり関係なくなってしまいそうなので、ここらでイベントの話に戻ります。

神戸でイベントをやるという事で、毎回関西方面のフリーペーパー発行者さんが来てくださるのですが、その事は僕がこのイベントをやる上で楽しみにしていることの一つでもあります。
今回選ばせていただいた中では、イベントの少し前にお問い合わせさせていただいて送っていただいた『詩ぃちゃん』の発行者さんが「たまたま近くに来ている」という事で遊びに来てくださったり、『WE/』のご担当者さんが挨拶にいらしてくださったり、という事がありました。大勢の前に出る事に対してはさほど緊張しない僕ですが、好きなフリーペーパーを作っている発行者さんと会うとめちゃくちゃ緊張してしまうので、今回もめちゃくちゃ緊張しましたし、そのせいで緊張させてしまったかもしれませんがお会いできて嬉しかったです。

『詩ぃちゃん』の著者、大阿久佳乃さん。彼女はまだ高校生。


『詩ぃちゃん』もそうでしたが、在庫があまりないというフリーペーパーも多々あり『わに』『BOOKMARK』『手紙暮らし』『十六夜風車』『南部再生』といった辺りの冊子は早い段階でサンプルのみとなりました。
ONLY FREE PAPERの通常営業の中でも問い合わせが多い『手紙暮らし』は神戸でも大人気で、「これを見に来た」という方もいらっしゃいました。(そんな大人気の『手紙暮らし』は以前当店でインタビューさせていただいたので気になった方はこちらをチェック!!)

配布分はなくなり、サンプルもお持ち帰りされるフリーペーパーたち


また、会場で書いていただいたアンケートでは『peeps』『他人』『月刊妄想星占い』『CEL』『大学喫煙所名鑑』『しくみまんがシリーズ』『TOKYO VOICE』『飛騨』『ヘルスグラフィックマガジン』などの名前が多くあがっていました。
そして、アンケートの中にはこんな感想もいただきました。
「他のお客さんと交流できる空間づくりになっていなかったのが残念でした」
ひぇ〜〜!そうか〜むしろお客さん同士も交流したいのか〜!!そうですよね、むちゃくちゃ参考になりました。次回以降絶対に反映させますし、今夏予定でオープンする新しい場(ちゃんと整ったら正式にリリースします)にも参考にさせていただきます!!!

そんなこんながあり、11時のオープンから18時まで会場から人がいなくなる事がないほど本当にたくさんの方にお越しいただきました。カバンや手持ちの限界値までフリーペーパーを詰め込み、抱きかかえているお客さんの姿が目立ち、終わってみれば多くの冊子が少量を残すのみになりました。まだ在庫のあるフリーペーパーに関しましては、引き続きKIITOのフリーペーパーライブラリにて配布しておりますので、お近くにいらっしゃった方は是非お立ち寄りいただければと思います。

来年以降もKIITOさんではこのイベントを続けて行きたいですし、全国的にもこういったイベントはやって行きたいのでどんどんお声かけください!
そして、「無料ならそれはお客さん来るよね?」とフリーペーパーに関して懐疑的な目を向けられている方がもしいたならば、フリーペーパーの魅力が《そこもあるけど、そこじゃない》という事がわかっていただけると同時にもれなく「フリーペーパー面白いなぁ」という禁断の扉が開かれますので、次回の開催では是非お足を運んでいただけますと嬉しいです。
よろしくお願いします!

最後になりましたが、今回ご協力いただきましたフリーペーパーの発行者の皆様、本当にありがとうございました!!!


2018-04-17 | Posted in 松江健介, PEOPLENo Comments » 
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